・会長はビートたけし
取締役相談役であり創業者である山田照男氏の講話を聞かせていただいた。
顔がビートたけしにそっくりで語り口もたけしそのものであったのが印象的だった。
話は面白おかしくおっしゃっているが、お話されている内容は的を得た内容ばかりであった。
創業当時からあらゆる事に「差別化」してきたこと。社是にある「常に考える。なぜ、なぜ、なぜ」により思い込みをなくし、新しい発想によって製品や社内の仕組みを変えていく姿勢。それが大きな基盤になってること。また、「より良いものをより安く」と言うのが一般的であるが「より良いものはより高く」付加価値を価格に転嫁することにより好業績を維持し続けている事。自社製品は全て工夫がされており市場で売れているものは工夫による差別化を施した上で新規参入しているため、商品点数は2万点の製品がラインアップとしてあるとの事。などの話があった。
・徹底したコストダウン
会社全体に薄暗く明かりが点灯している箇所は少ない。電気代、お茶代、コピー代等小さなことを積み重ねでコストダウンしている。一方社会貢献として劇団や楽団などを呼んで地域の人々に無料で公開したり、社員に対しては、5年に一度海外旅行として1億円を使ったり、ケチるところはケチり使うところは使うのを徹底している。
「残業なし」も「会社の電気代がもったいないから」との話であったが、裏を返せば、「定時内に自分の仕事を全て終わるように改善せよ」「それがコストダウンと生産性向上、従業員のスキルアップに繋がる」ということを言っているのではないかと想像する。
・なぜ正社員のみの採用か?
未来工業は正社員のみ約800名、なぜ全員正社員なのかといえば、正社員と派遣やアルバイトで能力の差が無いのに給与で差があれば対象者のモチベーションが下がる。また、製品に工夫を施すには社内の技術力やノウハウの維持が必要になる。そのために正社員でなくてはいけないとの事である。完全年功序列制の給与体系も一般の発想とは異なる。
私の推測では敗戦後の高度成長時代における日本企業の成功モデルを実践続けたこと。すなわち「人財」=「見えざる資産」と位置づけ優秀な人材を育て続けたことが成功要因のひとつではないか。
未来工業は山田会長の人としての魅力と現社長の技術開発力が相乗効果で顧客満足と従業員満足の仕組みが構築された企業と言える。3時間程度の訪問であったため十分に分析はできないが、マスコミや会社見学により「社会から注目されている」との意識が良い意味で社員全員のモチベーションとなり自発的な活動をとっているのだろう。会社が利益を上げた結果を一部従業員への還元がより従業員のモチベーションアップに繋がる、ポジティブループバックが構築されている。
私たちは、すぐには未来工業のようにならないが、未来工業もこのようになるまでは大変な苦労や失敗もあったことであろう。それも、現社長の強いリーダーシップと明確なビジョンに基づき会長自ら自分を信じ続けた結果が現在にあると思われる。
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